睾丸が大きい!?うさぎの精巣腫大①「精巣嚢胞」

※本コラムでは手術時の画像があります。苦手な方は閲覧しないでください。
※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

うさぎ(ネザーランドドワーフ 6歳3ヶ月齢 未去勢雄)が「前日に精巣が腫大していることに気づいた。」とのことで来院されました。身体検査により左側の精巣の腫大を確認。腫瘍の可能性を考慮し精巣を摘出することとしました。術前検査としてX線検査、血液検査を行い大きな異常が認められなかったため、精巣を摘出、病理検査の結果、精巣嚢胞でした。およそ2週間後の再診で問題なく過ごしており、検査結果も腫瘍性変化は認められなかったため、その後は経過観察としました。

精巣の腫大について

うさぎさんにおいても他の動物同様、精巣の異常が認められることがあります。うさぎさんの精巣は、陰茎のわきの体表に左右一つずつ存在しますが、抱っこに慣れていないうさぎさんの場合、飼い主さんが精巣を見ることが少なく異常が見過ごされていることがあります。臨床症状を示すことも少なくないのも、異常に気付きにくい点としてあげられます。
うさぎの精巣腫大は高齢になると認められることが多い疾患です。精巣腫大の場合、非腫瘍性のものと腫瘍性のものに大別され、精巣嚢胞は非腫瘍性に分類されます。残念ながら、見た目では非腫瘍性なのか、腫瘍性なのかの判別は困難です。そのため、基本的に摘出し検査します。

▲初診時、うさぎさんを仰向けにして精巣を確認しているところです。左側の精巣が右側に比べて大きくなっているのがよくわかります

▲手術直前の画像です。矢印が腫大した精巣(左側)です

▲摘出直後の画像です。精巣が無いので、陰嚢がペタンコになっています

臨床診断は「精巣腫大」
病理診断は「精巣嚢胞」

麻酔からの覚醒も問題なく、手術当日退院となりました。退院時には、抗生物質や鎮痛剤などの内服薬を処方し、3日後の診察では食欲元気も問題ありませんでした。
さらに8日後に完全な傷のふさがりを確認して治療終了となりました。摘出した精巣の検査結果は精巣の嚢胞で、摘出してしまえば予後は良好です。

▲治療終了時の画像です。腫瘍じゃなくてよかったね!

うさぎの精巣嚢胞についてもっとくわしく!

うさぎの精巣腫大は高齢になると認められることが多い。この患者さんのような精巣の嚢胞性病変はまれで、胎生期の異常によるものであるとされる。他にも非腫瘍性のものでは精巣炎や精巣上体炎、腫瘍性のものではライディッヒ細胞腫、精細胞腫、セルトリー細胞腫などがある。
一般的には外観から飼い主が気づき来院されることが多いが、抱っこができないうさぎでは診察時に見つけられることもある。病理検査以外では診断がつかないことが多いため、精巣を摘出し検査することが多い。

原因

胎生期の異常だと考えられる

症状

症状はあまり示さないが、大きくなった陰嚢は排泄物で汚れることがあり、そのため皮膚炎などの症状が出ることがある

検査

身体検査、X線検査、超音波検査、CT検査など

治療

精巣摘出術

予防

早期の精巣摘出術(去勢手術)

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。引き続きこの子の健康維持に向けて尽力してまいります。

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