病気予防!うさぎの避妊手術

※手術の画像があります。苦手な方は閲覧しないでください。
※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

うさぎ(1歳10ヶ月齢 メス)が避妊手術希望のため来院されました。当院では、麻酔前の診察、検査をしっかり行うことで、麻酔によるトラブルを可能な限り未然に防ぎ、安全に手術を行えるよう努めています。この患者さんも事前に血液検査をさせていただき、病的な異常を認めなかったため、手術を行いました。特別変わったこともなく、手術も終わり、麻酔の醒めも問題ありませんでした。術後も特に問題なく、術後2週間で抜糸となりました。

うさぎの避妊手術について

中年齢以降の未避妊雌うさぎにおいては、子宮疾患になりやすく、その中でも悪性腫瘍(癌)であることが多い。見つけたときには、全身に転移していることもあり、予防が非常に重要です。また、乳腺に関する疾患も起こしやすく、乳腺癌の発生も多い。一般的に早期に避妊手術することでこれらの疾患の発生率はかなり下げられると言われています。

もちろん、避妊手術をしない子がすべて、疾患になるわけではありません。麻酔をかけて手術するわけですから、リスクがないわけではありません。しかし、若いうちの健康体であるときの手術と、病気になってトラブルを抱えてからの手術では、リスクが圧倒的に違います。メリットとデメリットをしっかり考えて選択することが重要です。

▲外観写真

▲手術中の写真です。おなかを開けて子宮と卵巣をおなかの外に出して切除します。うさぎは子宮と卵巣が緩いので、他の動物に比べて容易に引っ張り出せます。ただし、組織がもろいので扱いは慎重に行います。矢印の部分が子宮です。

▲術後のおなかの画像です。うさぎは皮膚を通常の糸(ナイロン糸など)で縫うと咬みちぎって取ってしまうことが多いため、筆者は医療用のワイヤーで縫います。

当院では、うさぎの手術は基本的に日帰りで行います。うさぎは環境の変化でごはんを食べなくなることが多いため、麻酔からの醒めに問題がなければ、その日に退院します。
退院時には、抗生剤や鎮痛剤などの内服を処方します。
退院後3日目の診察では、食欲なども問題なく、傷の治りも順調でした。
退院後2週間目には予定通り抜糸をして、治療終了となりました。抜糸時に麻酔は不要です。

うさぎの避妊手術についてもっとくわしく!

うさぎの避妊手術については、病院、獣医により考え方、方法などが異なります。当院では、うさぎの精神的なストレスを考慮し、麻酔からの醒めに問題がなければその日のうちに慣れた環境(自宅)に戻してあげるようにしています。ただし、麻酔により消化管の動きも抑制されていますから、まれに食欲がないなどトラブルが出る場合があり、翌日来院してもらうことがあります。
手術後は、代謝の関係から太りやすくなるため、運動量や食事の量、摂取カロリーなど注意が必要です。

症状

特になし

検査

術前検査として血液検査やレントゲン検査

治療

術式は様々あり、病院により異なります。当院では、吸入麻酔後、血管確保し寝かせ手術に入ります。基本的に卵巣および子宮の全摘出を行い、常法通りおなかを閉じます。

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。
※伴侶動物の症状、状態には個体差がございます。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。

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