うさぎのツメダニ症

※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

ウサギ(ホーランドロップ、4歳)が、「2週間前から背中のフケが気になる」という主訴で来院されました。痒みはないようでしたが、背中の一部が脱毛しており、フケが出ていました。病変の皮膚を検査してみたところ、ツメダニが観察されたため、スポット剤によるダニ駆除を行いました。その後3週間ごとに計3回のスポット剤治療を続け、症状は改善しました。

ツメダニ症について

ツメダニ症はウサギでよく見られる外部寄生虫症の一つです。感染するとフケや痒みがでて薄毛、脱毛が目立つようになります。病変のある皮膚に押し当てたテープを顕微鏡で観察することで、ダニの虫体や卵が見える場合があります。

▲背中が脱毛しているのが分かります(写真右側が頭側、左側が尾側です)。

▲拡大写真です。フケが多く出ているのが分かります。

▲皮膚の検査をしてみると、ツメダニが確認できました(赤色矢印)。

臨床診断は「ツメダニ症」」

この症例は初診時にスポット剤を皮膚に滴下し、3週間後、6週間後と同様にスポット剤を滴下することでフケはなくなり、毛も生えてきました。

ウサギのツメダニ症についてもっとくわしく!

ツメダニの多くはウサギの首から背中側の皮膚に寄生します。体長は0.35mm~0.50mmで鉤爪を持っており、非常に小さいため、顕微鏡でなければはっきりと見ることは難しいです。接触によって直接感染するため、人が刺されることもあり、軽度の皮膚炎を起こすことがありますが、人に寄生し続けることはありません。もし人が刺された場合は人の病院(皮膚科)に相談しましょう。基本的に感染源となったウサギの治療を積極的に行う必要があります。

原因

ツメダニというダニが原因で起こります。元々はファームですでにウサギ同士で感染していることが多く、飼い始めの頃には症状がなくてもすでに感染している可能性があります。主に皮膚に寄生し、フケや体液を食べて生きています。

症状

寄生するとだんだんと毛が薄くなり、フケや皮膚の赤み、痒みが出てきます。皮膚の免疫機能が低い個体や十分に毛づくろいができない個体だと脱毛やフケが顕著になります。

予防

検査をしていないウサギとの接触は避けましょう。また、ケージの中やウサギがよく触れる場所はこまめに掃除をしましょう。

治療

当院ではセラメクチン(スポット剤)を使って駆虫します。注意が必要なのは、犬猫用のダニ駆除薬として販売されているフィプロニルの入ったスポット剤はウサギを死に至らしめるので、絶対に使用してはいけません。必ず獣医師の診断と治療を受けてください。

※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。
※伴侶動物の症状、状態には個体差がございます。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。

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