うさぎの斜頸

※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

うさぎ(1歳7ヶ月齢)が「一昨日から食欲不振があり、昨日から首が傾いている。」とのことで来院されました。来院時は、首が右側に45度傾いていて(斜頚)、伏せの体勢をとれないほどでした。また、眼が左右に揺れていました(眼振)。各種検査の結果、内耳炎が強く疑われ、治療により斜頚はほぼ消失しました。体調も改善し、経過観察となりました。

うさぎの斜頚について

うさぎの斜頚はしばしばみられる病態で、多くの飼い主様はその変化にびっくりしてしまいます。その多くは、前提疾患と呼ばれるもので中枢性(脳)と末梢性(内耳)に大別されます。うさぎの場合、中枢性で多いのはエンセファリトゾーン症、末梢性で多いのは内耳炎です。

いずれの場合も、もっとも問題となるのは食欲不振です。首が傾いているため、普段の伏せの体勢をとることができなかったり、自分が進みたい方向に進めないため、ごはんが食べられません。また、眼振を伴う場合は、眼が回っている状態なので、食欲もわきません。草食動物が食事を取れないのは非常に良くなく、各種検査を進めつつ、まずは食欲の改善を目指します。

▲壁にもたれて何とか伏せの体勢を維持しています

▲首の傾きは大きいですが、そっと置くと伏せの体勢を維持できます

▲自分の体の向きと目線が異なるため、少し動こうとすると体を回してしまいます(ローリング)

▲眼が規則的に左右に揺れていますね。右側にゆっくり、左側に急速に動いています

臨床診断は「内耳炎」

血液検査の結果、内臓にトラブルがある可能性は低く、またエンセファリトゾーンの抗体価は高くありませんでした。そのため、内耳炎を疑い治療を開始し、まずは食欲の改善に努めました。

治療開始直後、自宅での補助給餌を行っていましたがなかなか難しかったため入院管理(注射治療、補助給餌など)となりました。
治療開始後4日目には、首の傾きはあるものの、ローリングも減り、伏せの体勢を維持できるようになりました。
治療開始後6日目には、自分で食事を取れるようになってきたため、内服薬を処方し退院としました。
治療開始2週間後には、眼振もなくなり、元気食欲正常。首の傾きは30度くらいになりました。
治療開始6週間後には、ほぼ斜頚もなくなり、治療終了です。

▲正面からの画像です。斜頚はほぼわかりません

▲元気いっぱいです

内耳炎についてもっとくわしく!

うさぎの内耳炎は、人と同じく口腔内やのどの細菌が耳管を介して感染すると言われており、犬や猫に多い外耳炎からの波及は少ないとされています。外耳炎が併発している場合は外耳炎の治療も同時に行います。内耳炎の診断にはX線検査が有用ですが、内耳内の鼓室というところが炎症、変形するくらい重度にならないとわかりません。CT検査は、詳細な内耳を映し出すことができ非常に有用ですが、CTを持っている動物病院はまだまだ少ないのが現状です。

内耳炎による斜頚は、早期に治療を開始し薬がしっかり効けば、症状が無くなるまで改善することが多いです。しかし、炎症が重度の場合などは斜頚が治り切らないこともあります。また、早期に再発することもあるので、症状消失後も長めに治療を続けることが必要です。

症状

食欲不振、元気消沈、斜頚、眼振、ローリングなど

検査

血液検査、X線検査、CT検査な

治療

抗生剤や消炎剤の投与

予防

特にありません

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。引き続きこの子の健康維持に向けて尽力してまいります。
※伴侶動物の症状、状態には個体差がございます。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。

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