ハムスターの乳頭腫

※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

キンクマハムスター(11ヶ月齢 メス)が、「昨夜からおしりが赤い。」とのことで来院されました。診察したところ、膣から直径2㎜くらいのできものが突出していて、そこが赤くなっていました。翌日、麻酔下にて切除手術をしました。切除したものは、病理学的検査に提出し、結果「乳頭腫」という良性の皮膚腫瘍であることがわかりました。切除後11日目には傷もなく治療終了となりました。

ハムスターの皮膚のできものについて

ハムスターは皮膚にできものができることが多く、皮膚炎や外傷によるかさぶたや腫瘍など、さまざまです。特に、皮膚にできる腫瘤状のものは見た目で診断がつくものは非常に少なく、最終的には切除して病理学的検査に提出しないとわかりません。悪性腫瘍である場合は早期の治療が必要ですが、外観から診断がつきにくいため、治療および検査として切除することがよくあります。

麻酔下での切除以外の検査には、注射針をできものに刺して細胞を採材して検査に出すことがあります。メリットは体への負担が少ないことですが、デメリットとして、ある程度の大きさのできものでなくては刺すことが困難であること、取れた細胞の量が少なく費用と時間をかけたけど、診断がつかないことが挙げられます。

▲膣からできものが突出しており、表面が少し赤くなっています。

▲麻酔をかけて、脱力している状態です。左が頭側になります。この後、電気メスという医療用器具でできものを根元から焼いて切除します。再発防止のため、できるだけ根元から切除するよう心掛けます。

切除したできものは、病理学的検査に提出して、取ったできものが何かをしっかり調べます。この検査を行わないと、できものが何であるかも含め、取り切れているのか、再発の可能性があるのか、悪性腫瘍であった場合、抗がん剤など次の手を打つべきなのかわからないので、今後に関わる非常に大切な検査と言えます。

病理診断は「乳頭腫」

術後11日目では手術した部位に異常は認められませんでした。病理学的検査の結果も良性の腫瘍であったため、術後は再発の可能性に注意しつつ経過をみることになりました。

ハムスターの乳頭腫についてもっとくわしく!

乳頭腫はハムスター類において、よく発生する良性皮膚腫瘍のひとつです。この腫瘍に関しては、他の腫瘍と同様、特に理由なく発生する場合と、ウイルス性に発生するものがあります。今回の患者さんではあきらかなウイルスの感染を示すものは見当たりませんでした。一般的には、術後の予後は良好ですが、多発する場合や再発する場合もあります。

原因

特に原因がなく発生する場合やウイルス感染が原因の場合があります。

症状

できものをまったく気にしないことがあります。できものが大きくなってくると気にして引っかいたり、舐めかじったりして出血や潰瘍をおこすことがあります。

治療

外科的切除で良好な経過をたどりますが、再発や多発することもあります。

予防

特にありません。

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。引き続きこの子の健康維持に向けて尽力してまいります。
※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。

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