ハムスターの切歯過長

※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

今回は、ジャンガリアンハムスター1歳8ヶ月の患者さんの処置のご紹介をさせていただきます。当初ご来院された理由(主訴)は別件だったのですが、お話を聞くと“最近固いフードを食べられずふやかしたフードしか食べなくなっていた”とのことでした。ハムスターは生涯切歯(前歯)が伸び続ける動物であるため、その状況次第では固いものを食べられなくなったり、場合によっては鼻から出血したりすることもあり、放置しておくと悪化しますので、動物病院での処置が必要です。

それでは今回の患者さんの診察です。

歯の状況を確認

外見に変化はなく、出血などもないため、気付くのが難しいかもしれません。

口の中を見てみましょう。片方の手の親指で下あごの下を軽く押さえて、もう一方の手の指で上口唇を押し上げます。難しい場合は、無理をせず動物病院を受診してくださいね。

上あごの切歯が巻き込んで、上あごに刺さってしまっています。硬いものを噛むと、歯が上顎に食い込んで痛いんですね。このまま歯が伸び続けると、上顎に深く刺さり、鼻から出血したりもします。

カットして抜いた後、刺さっていたので出血がありました。鼻腔まで深く刺さっていたようで、鼻からも出血していました。

臨床診断は「不整咬合(切歯過長)」

ハムスターは生涯切歯(前歯)が伸び続ける動物です。通常は食べ物をかじる際に自然と摩耗し正常な位置を保ちます。しかし、何かしらの理由でかみ合わせが悪くなると、上下の歯が当たらなくなり、正常な位置を保てなくなります。よくある原因としては、ケージの柵をかじる、高い所から落下し顔を強打する、などがあります。

かみ合わせが悪くなった上あごの切歯がどんどん巻き込んで伸びて上あごに刺さったり、下あごの切歯が外側に(鼻先の方に)伸びてきてしまいます。場合によっては歯が折れて出血したりします。歯はカットしても、また伸びてくるので、いずれ固いものも食べられるようになることが多く、今後定期的なカットが必要になることが多いです。その患者の状況次第ですが、早い子だと3週間くらいで処置が必要です。

ハムスターの不整咬合(切歯過長)について

症状

固いものが食べられなくなる。上あごに深く刺さっていると、鼻腔に歯が貫通し鼻から出血することがあります。

予防

咬み切れないもの(ケージの柵や金属の棒など)をかじらせない。柔らかすぎる食事を与えない。

治療

一旦、不整咬合になってしまった歯は、基本的に生涯歯の定期的なカットが必要になります。

※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。引き続きこの子の健康維持に向けて尽力してまいります。

ハムスターの診療

ハムスターの治療について

ちゅら動物病院の獣医師は、「エキゾチック診療」という専門誌でハムスターの症例についての誌上発表を行なっているほか、多くのハムスターの診療実績がございます。エキゾチックアニマルは犬、猫とは体の作りが大きく異なります。また、一口に「エキゾチックアニマル」と言っても、ハムスター、うさぎ、フェレット、インコ、モルモットと様々です。当院では診察に適切な設備や器具を揃え、獣医師もエキゾチックアニマルの治療の経験を積んでおります。健康診断、ワクチン、避妊等も対応が可能ですので、ぜひ一度ご相談くださいませ。

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