健康診断で早期発見!ハリネズミの寄生虫感染症①「ダニ寄生」

※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

ヨツユビハリネズミ(3歳2ヶ月齢)が、「知人から譲り受けた」ということで、健康診断希望で来院されました。元気や食欲は問題なかったのですが、脱針が多くみられ、皮膚は一部露出していました。皮膚検査をしてみると、ダニが見つかったため、駆虫薬による治療を開始しました。治療開始後、徐々に針が出てきて、皮膚の露出も少なくなってきました。3週間おきに3回投薬を済ませ、ダニが見当たらないことを確認し、治療終了としました。

ハリネズミのダニ寄生について

ハリネズミのダニ寄生は、ハリネズミの皮膚病の中で比較的多くみられ、特にショップから購入した後に一度も検査したことがない子では高確率で認められます。無症状なこともありますが、多くはかゆみがあり、炎症、ふけや脱針などを伴っていることが多いです。ダニの種類によっては、人も刺されることがあり、注意が必要です。治療は駆虫薬による駆虫です。

▲顔周りに白色の点(ふけとダニ)が多数認められます

▲背中の針が抜けてしまい、皮膚が大きく露出しています

▲ダニ成体です

▲ダニの卵です

▲治療開始3週間後の画像です。ふけが減ったように感じます

▲治療開始3週間後の画像です。まだ薄い感じはしますが、針が生えてきています

▲治療開始6週間後の画像です。ふけは減ったように感じます

▲治療開始6週間後の画像です。ほぼ針は生えそろってきました

治療開始6週間後の皮膚検査で、ダニが見つからないことを確認しました。

残念ながら、「顕微鏡で確認されない」 ≠ 「ダニはいない」 となりますので、再発の可能性は否定できません。今後も定期的な検査をして再発の有無を確認したほうが良いと思われますが、一旦これで治療終了としました。

ハリネズミのダニ寄生の原因、症状、治療について

ハリネズミのダニ寄生は、主にキュウセンダニとヒゼンダニの寄生ですが、見分けることは困難であり治療法に差異がありません。人がダニに刺されることもありますから、しっかり駆虫しておいたほうが良いでしょう。ハリネズミ用の駆虫薬はありませんから、犬猫の駆虫薬を使用することになります。

原因

主に繁殖場やペットショップでの集団飼育による感染であると思われます。

症状

皮膚炎、ふけ、かゆみ、脱針などです。夜行性の動物のため、かゆみなどについては気づきにくいことがあります。また、症状がないこともあります。ハリネズミに寄生しているダニに人がさされることがあるため、注意が必要です。

予防

飼育初期に一度来院して皮膚の検査をすることで早期発見につながります

治療

ダニ駆除薬の投与。タオルなどの定期的な洗濯により環境に落ちたダニの駆除。

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

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