文鳥がかかりやすい6つの病気と早期発見に役立つポイント

可愛い文鳥には、いつまでも健康でいてほしいものですよね。

これから文鳥を飼おうという人も、文鳥がかかりやすい病気について事前に知っておけば病気の予防や早期発見につながります。

今回の記事では、「文鳥がかかりやすい6つの病気」について、病気の早期発見に役立つポイントとともにご紹介します。

文鳥は体調不良を隠す?

私たち人間が風邪をひいてもその様子を見せないときがあるように、鳥も昔から「病気を隠す」といわれています。

鳥の体は羽毛に覆われている分、見た目では痩せてきたのかなかなか気づきません。飼い主の前では元気よく振る舞ったり、ご飯を食べるふりをしたりもします。

そのため、肝臓疾患や腎臓疾患、鳥結核症や慢性感染症など症状がゆっくり進行する病気の初期・中期段階では、飼い主が文鳥の体調不良を見逃してしまうケースも。

そして症状がだいぶ進行したところで飼い主が文鳥の違和感に気づくため、多くの場合、急に状態が悪くなったようにみえてしまうというわけです。

そんな繊細な文鳥の体調を早めに気づいてあげるためには、飼い主による健康チェックが欠かせません。病気を隠すといっても、文鳥はかならず何らかのサインを出しています。大切な家族の一員である文鳥を守ってあげるために、普段から状態をしっかり把握しておきましょう。

文鳥がかかりやすい病気

それでは、文鳥がかかりやすい病気についてみていきましょう。

一般的に

  

などの病気に注意しておく必要があります。

  

トリコモナス

「トリコモナス症」は、国内の文鳥で多くみられる病気の1つで、トリコモナス原虫という寄生虫の感染によって引き起こされる病気です。

感染している母鳥からのさし餌や、ペットショップなどでトリコモナスに感染した文鳥と同じ飲み水を飲んだり、さし餌器具を使いまわしたりすることでそのうや喉にトリコモナスが寄生し、感染します。ヒナや幼鳥など免疫力が低い場合に発症することが多く、具体的な症状としては

⚫︎食欲不振

⚫︎嘔吐

⚫︎くしゃみ

⚫︎あくび

⚫︎べろを出す

⚫︎首を振る

⚫︎口内粘液の吐出

  

などの行為が頻繁にみられます。

さらに文鳥の場合、症状がひどくなると耳の穴からイボのようなものが出ることも。このような症状がみられた場合、そのう検査で寄生虫の有無を診断し、トリコモナス感染を確認したあと一般的に駆虫薬の内服で治療していきます。集団感染のリスクもあるため、感染が疑われる場合は他の鳥と隔離するようにしましょう。

コクシジウム症

「コクシジウム症」とは、腸管内にいる寄生虫が炎症を起こすことで発症します。

感染しても無症状である場合がほとんどですが、免疫力の低いヒナが発症しやすく、ときに下痢や血便、突然死する危険性もあります。そのため、コクシジウムが疑われる便を摂取して検査し、感染が発見された場合、基本的には駆虫剤を内服して治療していきます。

治療中は、感染した自分の便で再感染しないよう、頻繁にケージを掃除するなどして清潔な空間を保ちましょう。

甲状腺腫

「甲状腺腫」とは、「甲状腺」という、喉にある代謝機能の調整ホルモンを分泌する臓器が腫れる病気です。原因は、摂取するヨードの量が足りないことが多く、また、豆苗や小松菜などマメ科・アブラナ科の植物の与え過ぎも原因の1つといわれています。

⚫︎呼吸器が圧迫され、呼吸がしにくくなる

⚫︎呼吸のたびにギューギュー・ブツブツといった音が出る

⚫︎その日の内のご飯を嘔吐する

⚫︎鳴き声がかすれる

などがみられます。

これらの症状は、とくに夜間にひどくなる傾向があるようです。病院では血液検査やレントゲン、CT検査などで確認した後、甲状腺ホルモンの内服やヨードの多い食事への切り替えなどの治療を進めていきます。

卵詰まり

「卵詰まり」とは文字通り、卵が詰まってうまく産卵できない状態を指します。

文鳥は交尾をしなくても卵が産めるため、メスを単独で飼っていても卵詰まりが起こる可能性がある点に注意しておきましょう。卵詰まりが起こると、

⚫︎ぐったりして苦しそうにしている

⚫︎体力が消耗する

⚫︎便秘

などの症状がみられます。

主な原因はカルシウム不足です。体内のカルシウムが不足すると表面がブヨブヨの卵ができたり、踏ん張れずに産卵ができなかったりするのです。ただ卵が詰まっているだけ、とそのまま放っておくと命を落とすことも。このような症状がみられた場合、一般的にレントゲンやエコー検査、触診によって診断し、

⚫︎カルシウム剤の投与

⚫︎圧迫して卵を出す

などの治療が行われます。卵がなかなか出ない場合は、帝王切開をすることもあり、文鳥にとって負担が大きい病気の1つです。

不正咬合(くちばしの異常)

「不正咬合(くちばしの異常)」とは、くちばしの上や下などが異常に伸び、かみ合わせがずれてしまう病気です。主な原因に老化や肝機能の低下、栄養不足などが考えられ、

⚫︎食べたものをこぼす

⚫︎うまくご飯の殻が割れない

などが主な症状です。くちばしの不正咬合は1度なってしまうとなかなか完治が難しいため、定期的にカットしたり削ったりする必要があります。くちばしを切ることに不安な人は、自分で無理せず、ためらわず動物病院にお願いしましょう。

副鼻腔炎

「副鼻腔炎」とは、目の奥の方にある副鼻腔にウイルスなどが入り込んで感染を起こしたもので、同時に結膜炎や鼻炎などを伴って発症することが多い病気です。

主な原因は、細菌やカビなどの感染や環境の変化による免疫低下などといわれ、慢性化しやすいという特徴があります。具体的な症状は、

⚫︎くしゃみ

⚫︎呼吸音の変化

⚫︎首を頻繁に振る

⚫︎頭をとまり木などにこすりつける

など。とくに文鳥は目の周りに違和感や症状が出やすく、

⚫︎涙目になる

⚫︎目をつむる

などの行動が多くなる傾向があります。

感染が疑われる場合は基本的に抗生剤を使用しますが、治療しにくいという特徴もあり、飼い主による予防と早めの発見が大切です。

病気の早期発見に役立つポイント

どこかおかしいと思ったら、できるだけ早く文鳥を診察してくれる病院に連れていきましょう。鳥は人間よりも約4倍ものスピードで成長する分、病気の進行も人間に比べて速いスピードで進行します。

そのため、数日様子見するだけで手遅れになることも。「いつもと違う」をすぐに発見できるよう、文鳥にあいさつをするときや遊ぶときなどに以下の項目をチェックしておきましょう。

⚫︎くちばしの先や両側が異様に伸びている

⚫︎コブのような膨らみがある

⚫︎異常に寒がっている

⚫︎握力が弱まっている

⚫︎アイリングの色が白い、もしくは青みがかっている

⚫︎食べる量が減っている

⚫︎いつもより軟便・下痢している

⚫︎鼻やお尻が汚れている

⚫︎換羽が3ヶ月以上たっても終わらない

大切なのは、普段と違う「動作」「雰囲気」「顔色」などの違和感を見逃さないことです。

また、日常的に「体重」、「ご飯量」、「排泄物」のチェックを続け、定期的に動物病院で健康診断を受けておくことで病気を早期に発見できるでしょう。

まとめ

今回は、文鳥がかかりやすい病気と早期発見に役立つポイントについて紹介しました。繊細な体を持つ文鳥の健康を維持するために、飼い主は日々のチェックを怠らないようにしましょう。

今回紹介した病気のなかでも、とくにコクシジウム症とトリコモナス症は文鳥のヒナでよく見かける病気です。発見が遅れる前に、お家に迎えたときはなるべく早めに動物病院で健康診断を受けることをおすすめします。

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