猫の膀胱結石

※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

猫さん(ミヌエット 3歳齢)が、「半年前から血尿が時々見られ、1週間前から頻繁にトイレに行く。」とのことで来院されました。おしっこ検査のため尿道にカテーテル(軟らかい細い管)を入れようとすると尿道が詰まっていました。尿道閉塞(尿閉)であったため、尿閉解除後、入院管理で排尿を維持し、排尿がスムーズになったため退院とし、経過を観察しました。退院後、排尿障害は認められないものの、血尿は持続していたため、レントゲン検査にて結石の確認を行いました。レントゲン検査の結果、膀胱内に複数個の結石を認めたため、手術にて摘出することとしました。摘出した結石は「シュウ酸カルシウム」であり、摘出後血尿の症状も消失し、経過観察としました。

猫の下部尿路疾患について

下部尿路とは、膀胱から尿道までのことを指し、猫さんではこの部位に異常をきたし、排尿障害を引き起こすことが多いです。猫の下部尿路疾患では主に特発性膀胱炎が多く、次いで尿石症が多いと言われています。

▲レントゲン画像です。マルで囲んだ中に映っているのが、結石です。複数個認められます。

▲手術中の画像です。膀胱だけをおなかの外に露出した後、切開して結石を摘出します。

▲摘出した結石です。トゲトゲしていますね。これが膀胱にぶつかり出血や排尿痛の原因になります。摘出した結石は検査に出して、成分を特定します。

臨床診断は「膀胱結石による血尿、排尿障害」
結石分析では「シュウ酸カルシウム結石」

  

術後はおよそ2週間後に抜糸を行いました。排尿痛や血尿は消失し、元気食欲も問題ありません。普段の生活では飲水量や食事に気を付けてもらい、結石の再発が無いか定期検診で確認していくことになりました。

猫の膀胱結石についてもっとくわしく!

猫の膀胱結石は、主にストラバイト結石とシュウ酸カルシウム結石が占め、ある研究によると、それぞれ42.8%、40.6%でした。雌よりも雄のほうが罹りやすく、また陰茎の存在により閉塞を起こしてしやすい疾患です。

原因

体質、食餌(マグネシウムを多く含むものやシュウ酸を多く含むものの多給)、飲水不足(冬季などで寒くなることなど)、細菌感染など。

症状

血尿、頻尿、排尿痛(排尿時に鳴くなど)、下腹部痛

予防

年齢や体質に合った食餌、十分な飲水

治療

小さい結石の場合、自然排出されることがあるが、途中で閉塞を起こすこともある。ストラバイト結石の場合、食餌により溶解することがある。溶解しない場合や臨床症状が激しい場合は外科的に摘出することもある。シュウ酸カルシウム結石の場合は溶解することはないため、外科的摘出が第一選択肢となる。摘出後も再発予防のため、内服薬、適切な食事管理や環境改善が必要となる。

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

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