犬の誤食誤飲

※※吐いた物の画像があります。苦手な方は閲覧しないでください。
※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

ミニチュアピンシャー(1歳6ヶ月齢)がおもちゃ(デンタルケア用品)の誤飲で来院されました。来院の1時間くらい前に誤飲しましたが、来院時には体調不良はありませんでした。誤飲した内容と時間から催吐処置を行い、誤飲物を吐かせることができました。その後の体調不良も認められず、経過観察としました。

誤食誤飲について

犬や猫だけでなく、うさぎやフェレットなど他の動物でも起こりえる事故です。犬においては、室内だけでなく散歩中に拾い食いをしてしまう子もいます。残念ながら、食べてはいけないものをしつけで教えることはできません。飼い主が気をつけて予防するしかないのです。そこには、家族全員の協力が必要で、同じ家族である伴侶動物の事故をみんなで予防しましょう。
もし誤飲してしまい、その誤飲物が吐かせて問題ない場合の治療の第一選択肢は、(状況にもよりますが)催吐処置となります。誤飲物の種類によっては催吐処置をすることがかえって状況の悪化を招くものもあり、必ずしも催吐処置が第一選択肢とならないこともあります。

▲外観写真

▲食べてしまった歯ブラシです。先端の部分が欠損しています。今回はこちらの商品でしたが、口にくわえるもの(歯ブラシ、おもちゃなど)はどれも破損、誤飲する可能性があり、使用する場合は注意が必要です。

催吐処置を行いました。催吐処置の方法は病院により様々ですが、基本的に「吐かせること」を目的とした薬剤はありません。
そのため、他の治療で使用する薬剤の副作用を利用して、吐かせます。つまりは、「適応外使用」となります。
副作用を利用するわけですから、まったくリスクがないわけではありません。リスクよりベネフィット(恩恵)の方が勝る場合に行います。

▲吐かせた吐物です。幸い誤飲物は出てきました。大きさも食べた部分の大部分であると思われました。

催吐処置後は、特に副作用は認められませんでした。脱水予防のため、皮下点滴と胃腸薬の投与を行い経過観察としました。

誤食誤飲についてもっとくわしく

誤食誤飲はほとんどすべての動物で起こりうる事故です。その多くは、飼い主の管理によって防げますが、性格によってはなかなか困難なこともあり、何度も繰り返してしまう患者もいます。
また、伴侶動物は人をよく見ています。飼い主が口に持っていくものは、「いつか食べたい」と狙っていることも多いです。例えば、飼い主が服用している内服薬やタバコなどです。それらの誤食誤飲も多いので注意が必要です。
誤食誤飲しては困るものを口にくわえているのを発見した際に、飼い主が慌てて無理に取ろうとすると、取られまいと飲み込んでしまうことがあります。飼い主が慌てないことも大切ですが、そういった時のために、普段から口にくわえているものを放してもらう訓練をしておくのもよいことです。

誤食誤飲によるもっとも大きい障害が、腸閉塞です。腸閉塞を起こした場合、最悪、腸が壊死して死に至ることもあります。それ以外にも、中毒を起こすようなものを誤食誤飲した場合は、肝臓などの内臓に急激に負担がかかり死に至ることもあります。誤食誤飲したものやその時間などにより、治療方法は異なります。誤食誤飲した場合は、早急に動物病院を受診した方がよいでしょう。

症状

吐き気、嘔吐、食欲不振、元気消沈、下痢、けいれんなどの神経症状、血尿など

検査

X線検査、超音波検査、血液検査、内視鏡検査、CT検査など

治療

催吐処置、点滴治療、内視鏡による異物摘出、開腹手術など

予防

誤食誤飲しそうなものを届くところに置かない、ゴミ箱に蓋をつける、散歩中には口輪をするなど。口にくわえているものを放す訓練など

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。引き続きこの子の健康維持に向けて尽力してまいります。

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