犬の白内障

若年から老犬までみられる眼疾患

白内障とは眼の中にある水晶体とよばれる組織が透明度を失う疾患です。透明度を失い白濁した水晶体は光を通さないため、白内障の犬では視力が低下します。
犬の白内障は人の白内障と同様に老化性にみられることがあり、9.4歳前後の犬で50%が白内障に罹患し、13.5歳を超えるとすべての犬でなんらかの水晶体の障害がみられると報告されています。一方、犬の白内障は若齢でみられる場合もあり、先天性や遺伝性の白内障では出生~3歳程度での発症がみられます。
また、犬の白内障は近年増加傾向にある疾患だといわれており、1964年から2003年にかけて有病率が2.55倍程度増加したとされています。


眼の水晶体とは

水晶体は眼の中にある透明な組織です。凸レンズ様の形状をしており瞳孔から入射した光を、神経細胞が存在する網膜まで導く役割を持ちます。水晶体は水分と蛋白質で構成されています。


白内障がよくみられる犬種

スタンダートプードル、ミニチュアプードル、トイプードル、ピジョンフリーゼ、ミニチュアシュナウザー、ボストンテリア、アメリカンコッカースパニエル、スムースフォックステリア、シルキーテリア、ハバニーズなどが白内障のよくみられる好発犬種だといわれています。


白内障の症状

白内障では水晶体の混濁により視力の低下や失明などの症状がみられます。視力が低下した犬は、物にぶつかるようになる、運動を嫌がるようになる、性格が憶病になるなどの行動をみせることがあります。
また、白内障は糖尿病などの代謝性疾患に続発することがあります。多飲、多尿などの症状がみられる場合、注意が必要です。


白内障の原因

老年性白内障

白内障のうち6歳以上で水晶体の加齢性の変化にするものを老年性白内障とよびます。加齢によりなぜ白内障が引き起こされるのかは、まだはっきりとはわかっていませんが、多くの要因が関係していると考えられます。


先天性・遺伝性白内障

先天性白内障は生まれたときにすでに罹患している先天性疾患として白内障を持っていることを言います。遺伝性の白内障は遺伝性に発症要因を持つ犬が比較的若齢で発症する白内障です。


先天性・遺伝性白内障がみられる犬種

ミニチュアシュナウザー、ウエストハイランドホワイトテリア、キャバリアキングチャールズスパニエル、ボストンテリア、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバーなどが先天性白内障の好発犬種であり、スタンダートプードル、ウエストハイランドホワイトテリア、ボストンテリア、アメリカンコッカースパニエル、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、ジャーマンシェパードなどが遺伝性白内障の好発犬種だといわれてます。


代謝性白内障

代謝性白内障は身体の中のホルモンや血液のミネラル成分などの異常により引き起こされる白内障です。代謝性白内障を引き起こす疾患として犬の糖尿病はよく知られており、糖尿病の犬の半数で代謝性白内障がみられたと報告されています。糖尿病では眼の神経細胞が存在する網膜が剥がれてしまう網膜剥離が引きこされることもあり、犬の視力低下や失明に関与している疾患です。
また、代謝性白内障は低カルシウム血症や銅過剰血症でもみられます。


犬の糖尿病

糖尿病は犬でもっとも多い代謝性疾患のひとつであり、0.32%の有病率を持ちます。9歳前後の中高齢の犬で多くみられ、多飲、多尿、多食などの症状を引き起こします。
犬の糖尿病は人におけるⅠ型糖尿病に近い病態を持ち、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が障害を受けることにより高血糖を引き起こします。
ミニチュアプードル、ピジョンフリーゼ、ミニチュアシュナウザー、ケアーンテリア、サモエドが好発犬種だといわれています。


白内障の治療

白内障の治療では白内障の進行を遅らせることが目的である内科的療法と、白内障の根治を目指す外科的療法がおこなわれます。白内障の内科的療法では点眼薬を使用し治療をおこないます。
一方、外科的な治療法ではいくつかの術式がありますが、悪くなってしまった水晶体を吸引除去し、人工レンズに置換する方法がもちいられることがあります。


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