ミーアキャットの去勢手術と臭腺の摘出

※本コラムでは手術時の画像があります。苦手な方は閲覧をお控えください。
※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

ミーアキャット(10ヶ月齢 未去勢雄)が去勢手術と臭腺(肛門腺)除去を希望し来院しました。術前検査として血液検査を行い、大きな異常が認められなかったため、去勢手術と臭腺の摘出行いました。術後の経過も問題なく、2週間後の再診で抜糸を行い、治療終了となりました。

ミーアキャットについて

ミーアキャットは、食肉目マングース科の動物で、カタカナ表記だと「キャット」と記載しますが猫とは関係のない動物です(英語表記だとmeerkat)。近年、急速にペットとして流通し、飼われている方が急増しています。そのため、適切な飼育方法や必要な栄養素などまだまだ情報が少ない動物です。オスは肛門の両脇に臭腺を持ち、興奮時や排便時に分泌物が出て臭うため、去勢手術と一緒に臭腺を摘出することが多いです。

▲ミーアキャットさんに麻酔をかけ、仰向けにして精巣を確認しているところです。赤矢印が陰嚢、青矢印が陰茎です。去勢手術は猫に準拠した方法で行います

▲去勢手術が終わり、体位をうつ伏せに変更し、臭腺の摘出に移ります。赤矢印が陰嚢、青矢印が肛門です

▲臭腺は肛門の両脇に1対存在します。画像は右側の臭腺を摘出しているところです。矢印が臭腺です

▲手術直後の画像です。肛門脇の臭腺摘出部分、陰嚢の皮膚を縫合してあります
麻酔からの覚醒も問題なく、手術当日退院としました。 退院時には、抗生物質や鎮痛剤などの内服薬を処方し、7日後の診察時は傷を気にすることもなく、食欲元気も問題ありませんでした。 さらに14日後に完全な傷のふさがりを確認して治療終了としました。

▲抜糸時の画像です。傷も問題ありません!

ミーアキャットの去勢手術についてもっとくわしく!

ミーアキャットの去勢手術については、病院、獣医師により考え方、方法などが異なります。当院では、麻酔からの醒めに問題がなければその日のうちに慣れた環境(自宅)に戻してあげるようにしています。手術後には、痛みや違和感から傷を気にすることがあるため、自咬に注意が必要です。
また、手術後は、他の動物同様、代謝の関係から太りやすくなる可能性があり、運動量や食事の量、摂取カロリーなどにも配慮しましょう。

目的

望まない妊娠の回避、性的ストレスの解除、病気の予防

検査

術前検査として血液検査やレントゲン検査

治療

明確な術式は定まっておらず、方法は病院により異なります。当院では、猫に準拠した方法で行っています

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。引き続き、この子の健康維持に向けて尽力してまいります。

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