動物の腎臓病(腎不全・尿毒症)

2021.04.13

概要

腎臓の機能が下がる、障害が出ることを、腎臓病といいます。少し前までは「腎不全」と呼称していましたが、最近はそう呼ばなくなってきているようです。腎臓病には、急性のもの(急性腎障害)、慢性のもの(特に初期のものを慢性腎臓病、症状が重くなっているものを腎不全と呼ぶことがあります)に分かれます。

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急性腎障害(急性腎不全)

急性腎障害は、数時間から数日のうちにあっという間に症状が悪化し、命に危険を及ぼすこともあります。飲水量の増加、排尿量の増加、色が薄い、脱水、嘔吐、食欲不信などが見られた場合、腎臓病を疑います。

犬の場合は特に「おしっこが出ない」ことが原因となるケースが圧倒的に多いです。尿路結石がある、尿道結石がある場合は急性腎不全を引き起こす可能性が高くなりますので、注意してください。

慢性腎臓病

慢性腎臓病は数年以上にわたって徐々に腎臓の機能が低下し、一般に一度低下した腎臓の機能は回復しないとされています。日頃から健康診断などでその予兆を発見し、対策することが重要です。細菌性の膀胱炎から悪化するケースがよく見られます。

健康診断などで早期発見できることがベストですが、よく観察することで比較的早く発見することも可能です。よく水を飲み、尿の量も増えた場合、腎臓病の初期である可能性があります。この後症状が進むと、食欲にムラが見られる、時々嘔吐する、などのが見られるようになります。慢性腎不全はこれといった薬がなく、治療がとても難しいとされています。タンパク質や塩分の制限など、食事からアプローチすることが多いでしょう。

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原因

慢性糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、多発性嚢胞腎、先天性腎形成不全などによりネフロンの傷害は次第に広がり慢性化する。原因となる疾患は、上記の他にまだ多く存在するものと思われる。この原因の中でも腎炎は、細菌性の膀胱炎から継発する可能性が高く注意を要する。

症状

腎機能障害の程度によって慢性腎不全は四期にわけられる。最初の第一期は全く無症状である。第二期になると、よく水を飲むようになり、それに伴って尿量も増加するが、その他の症状がないことから一見、正常のようにも見える。この時期が治療上軽視できない最も大切な時期である。第三期になると食欲にムラが見られ、時々嘔吐が見られたり、体重減少、貧血など症状が見られるようになる。第四期では尿毒症としてあきらかに嘔吐、下痢を始め様々な症状が強く現れ、中には痙攣などの神経症状を示すものもあり、大変危険な状態となる。慢性腎不全の治療は非常にむずかしく、特効的な治療法がないのが現状である。慢性腎不全と診断された場合には食餌中のタンパク質や塩分を制限する必要があり、早期に治療することが重要です。

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タカハシメグミ

外部ライター

動物看護師・ライター

2010年、動物看護師として石狩市の動物病院にて勤務。犬や猫を中心に診察・診療の補助を行う。2016年、結婚・出産を機に退職。その後はパートタイマーとして動物園に勤務する。2021年より、ちゅら動物病院で記事を書かせていただくことになりました!海外の論文や記事を参考に、少しでも愛犬、愛猫の健康に貢献できるような記事を目指してがんばります。

※本ライターによる執筆は本ライターに帰属するものであり、その正確性や内容に関してちゅら動物病院がなんら保証するものではありません。

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