愛犬が末長く元気でいるために、簡単にできるけど重要なケアを動物看護師が厳選!

2021.04.01

愛犬には、少しでも長く、元気で健康にいてほしいですよね。日々のケアは面倒ではありますが、それによって健康を壊してしまった時の方が、時間的、経済的、そして精神的な負担は大きくなります。後悔しないためにも、できるだけ簡単だけど長生きするために重要なケアをご紹介します。

1.食事量および体重管理

過剰に太って良いことなど一つもありません。消化器系の問題を引き起こすだけでなく、膝の関節などにも負担をかけることになるからです。適切な体重を守ることを心がけましょう。

適切な体重は犬種、年齢、個別の体格によって異なります。例えば「日本人の20代男性」という同じカテゴリーに所属する人間が2人いても、身長は15cm違うかもしれませんし、体重は20kg違うかもしれません。犬種や年齢は大まかな目安になりますが、それにとらわれすぎず、個別に判断することが必要です。

適切な体重は、獣医さんに聞いてみるのが良いでしょう。かかりつけの獣医さんに訪ねて、定期的に体重を測ってもらいましょう。

犬は食べることが大好きです。そのため、食事をしているあなたの膝下にきて「ぼくにもちょうだい」とねだってくるかもしれません。どうかその誘惑には打ち勝ってください。

2.新鮮な水をあげよう

犬のお水は常に新鮮でしょうか? ボウルは綺麗に洗ってあげていますか? 暑い日に水を切らしたりすることのないようにしてください。

また、与える水はできれば浄水した水道水が良いでしょう。水道水は、厚生労働省によって厳しい基準が設けられています。一方で、ミネラルウォーターの基準となる項目は、水道水の数分の一程度しかありません。また、各基準も水道水より緩いのです。水道水は非常に優秀だと言えるでしょう。浄水すると重金属などが取り除かれて、より健康的な水としてお使いいただけます。

水道水とミネラルフォーターを比較した時、ミネラルウォーターは亜鉛が5倍、ヒ素が5倍、マンガンは40倍含まれていても基準を満たすことになります。ミネラルウォーターは「嗜好品」として認識されており、常日頃の飲水や料理に使う水としては水道水の方が適切であると言えるかもしれません。

<注意>長時間お水の交換ができない時は浄水器はNG!

安全な水道水をさらに改善してくれる浄水器ですが、利用シーンによっては注意が必要です。塩素などの成分が浄水器によって除去されることが想定されるため、水が腐りやすくなります。1日家を空けてしまってなかなかお水を交換できない時などは、浄水しないお水を与えると安心できるでしょう。

3.運動・散歩

基本的に犬は毎日運動させる必要があります。散歩に限らず運動になっていれば良いでしょう。泳ぐのが好きな子、山歩きが好きな子など、個性はそれぞれです。

散歩による運動量だと、ある小型犬では1日10分程度で構わないかもしれませんが、別の大型犬では30分前後の自転車でのランニングが必要なケースもあり、必要とされる運動量には大きな開きがあります。これは特に「これから犬を飼う」人は注意が必要です。本当にそれだけの運動を犬にさせてあげることができるのかよく考えてみてください。日頃からあまり運動させられない方は、できるだけ運動量が少なくてもよい犬種を選ぶと良いでしょう。

運動や散歩は、単に筋力増加だけでなく、ストレス解消にもなります。愛犬の精神的な安定のためにもぜひ続けてあげてください。

4.定期的なブラッシング

定期的なブラッシングにはたくさんのメリットがあります。あなたと愛犬の愛情をより強くする、ノミやダニが見つかるかもしれない、そもそも犬の毛艶がよくなる、などです。中でも「長生き」という面で言うと、皮膚の上のできもの、そして皮膚の下のしこりを発見できるかもしれない、というのは大きなメリットでしょう。

ほとんどの犬は毛に覆われているため、できものやしこりを見つけることは困難です。たまにブラッシングを通じて、皮膚の状態を丁寧に観察してあげてください。できものやしこりが気になったら、かかりつけの獣医の先生に相談しましょう。

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5.オーラルケア(歯石、口臭、抜歯)

オーラルケアは動物が「長生きする」上でとても重要です。なぜなら、特に自然界においては「歯がなくなる=食べられない=死」だからです。

歯の問題は、重症化した時に大変な反面、気づきにくいという課題があります。歯周病はただ汚れているだけに見えるし、犬は歯が痛くてもそれを飼い主に伝えることなく普段通り食事をしてしまうからです。

「歯が悪くなったら抜けばいい」と思われるかもしれませんが、そう簡単な問題ではありません。歯周病が重症化すると、顎の骨が溶けたり骨折することもあります。顎が溶けるだけで止まらず、菌が鼻の中まで入り込んで化膿したりもします。そうならないためにも、日常的なオーラルケアが重要なのです。

また「歯を抜く」場合は全身麻酔が必要になるケースがほとんどです(全身麻酔しない抜歯をする獣医師もありますが、この方法は非常に強く賛否両論がありますので、よくよくご検討、獣医さんに相談してから決めた方が良いでしょう)。老犬だと全身麻酔は非常に負担が大きくなります。ほかにも例えば肺水腫などを患って心臓に負担をかけることが好ましくなかったりする場合も全身麻酔は避けた方が良いでしょう。歯ブラシや歯石除去などを家でケアする習慣を持つことがとても大切です。

6.動物病院での定期検診

ノミやダニ、ワクチン、フィラリア対策など、定期的に動物病院にお世話になることがあるかと思いますが、できればその時に血液検査をはじめ健康診断もしてもらうと良いでしょう。

人間でも年に一度は健康診断をしますが、犬は人間の数分の一の寿命しかありません。年に一度では足りないのではないか、と私は思います。病気はとにかく「早期発見、早期治療」に尽きます。これこそが経済的にも精神的にも、飼い主にとっても犬にとっても、絶対的に幸せな形ではないでしょうか。ちゅら動物病院では、気軽に健康診断を受けられるよう、さまざまなプランをご用意しております。予防医療の普及は伴侶動物との生活において大変重要だと考えているためです。よろしければぜひ一度ご相談ください。

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ちゅら動物病院は犬、猫の他、インコなどの鳥類、そしてフェレット、うさぎ、ハムスターハリネズミなどの小型哺乳類・エキゾチックアニマルの診療を行なっております。土日、祝日も診療しております。夜間、時間外診療についてはお気軽にお問い合わせください。診療経験豊富な獣医師が対応させていただきますので、安心してご相談いただければ幸いです。

タカハシメグミ

外部ライター

動物看護師・ライター

2010年、動物看護師として石狩市の動物病院にて勤務。犬や猫を中心に診察・診療の補助を行う。2016年、結婚・出産を機に退職。その後はパートタイマーとして動物園に勤務する。2021年より、ちゅら動物病院で記事を書かせていただくことになりました!海外の論文や記事を参考に、少しでも愛犬、愛猫の健康に貢献できるような記事を目指してがんばります。

※本ライターによる執筆は本ライターに帰属するものであり、その正確性や内容に関してちゅら動物病院がなんら保証するものではありません。

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