猫の膀胱炎(尿石症)を獣医師が解説します

2021.09.25

猫のおしっこがキラキラ光ってる、おしっこをさわるとザラザラとした砂を感じる、おしっこに血が混じる。トイレに出たり入ったり、忙しいのにおしっこがほとんど出てない。トイレのたびにアオーッとすごい泣き声をあげる。こんな症状が認められたら心配になりますね。おしっこの問題は猫の膀胱炎が原因でおこるんです。くわしくお話ししていきましょう。

どんな仕草をするのか?

何度もトイレに行きたがります。1回のおしっこの量が少ないというときは要注意です。

おしっこの時に痛がって声を上げることもあります。トイレ以外で尿がぽたぽた垂れていたり(尿失禁)、半日以上トイレに行くのにおしっこの格好をするのに尿が出ないというときは注意が必要です。

おちんちんや陰部を舐めたり、何か気にする素振りを見せることがあります。

おしっこのにおいがいつもよりきつくキラキラ光ってるように見える、おしっこに血が混じって見えることがあります。トイレ砂だとわかりにくいときには、トイレにティッシュを敷いておくとよくわかります。

膀胱炎の検査は?

まずは尿検査を行います。持参していただいた尿や院内で採った尿(カテーテルという細い管を膀胱に入れて直接採尿したり、超音波検査機で膀胱を見ながらで膀胱から注射器で採尿します)で検査します。尿試験紙で尿の性状(pH)を調べたり、遠心をかけて集めた尿の沈渣に細菌や結晶が出ていないかを顕微鏡で確認します。必要に応じて超音波検査やレントゲン検査で結石がないか、血液検査で腎臓にダメージがないかを見ます。

膀胱炎の原因は?

細菌の感染

おしっこに炎症の原因になる細菌の感染が起こります。おしっこがいつもと違うくさい臭いがします。犬はよく見ますが、猫ではこれだけが原因になることは少ないです。

膀胱結石・尿道結石の存在

ごはんや遺伝的体質など、さまざまな原因で尿結石、尿結晶ができます。尿結石、尿結晶は、おしっこの通り道の粘膜に傷を付けることで炎症を起こし血尿を起こします。猫はおしっこを痛がることが多いです。

また結晶や結石が尿道(膀胱からおちんちんの出口)に詰まる確率はオスで高く、メスは尿道が広く短いので起こることは、ほとんどありません。この尿結石でおしっこが物理的に出ないのは、いそいで解除をしないと命に関わります。必要があれば全身麻酔をかけて、おちんちんの出口から尿道カテーテルを入れて解除します。何度トライしても尿道カテーテルが入らなかったら、会陰尿道瘻(えいん にょうどう ろう)の手術になります。

猫では尿結石、尿結晶はリン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)やシュウ酸によるものが多数を占めます。ストルバイトは尿がアルカリ性になると発生しやすく、シュウ酸結石はイオンバランスなど様々な要因で発生します。

原因不明の特発性膀胱炎

膀胱炎の症状があるのに、尿検査、血液検査、レントゲン、超音波検査をしても、原因が見つからない場合、特発性膀胱炎と呼ばれます。気軽にトイレでおしっこできないような環境、例えばトイレが汚れている(逆に、きれいすぎる)、他の猫が同じトイレを共用していて自分のタイミングでおしっこができないことなどが挙げられます。特発性膀胱炎はストレスが原因とも考えられていますが、現在のところ詳しくはわかっていません。比較的、若い猫に見られるのが特徴です。

治療

抗生物質

注射による治療や内服薬を処方します。

その他の飲み薬

必要に応じて、止血剤や痛み止めを処方します。

処方食

動物病院から、おしっこの病気に効く処方食が出されます。ごはんの栄養を膀胱炎治療に対応するよう適切に調整してあり、尿結晶ができにくくなります。処方食以外のものを食べると作用が薄まるので、処方食だけを食べるようにしましょう。処方食も各社から多く販売されており、必ず味が気にいる物があるはずです。迷ったら動物病院にお問い合わせください。原因が不明とされる特発性膀胱炎への治療においても、ストレスを軽減する成分が配合されているごはんなど栄養の管理は重要です。

再発するリスクが十分にあるので、予防管理が重要

猫にできるだけストレスを与えないようにしましょう。猫はきれい好きでデリケートな子がいます。普段使っているトイレが汚れていることが理由で、おしっこをためらってしまうことがあります。トイレの掃除は適度にやりましょう。

猫が安心しておしっこができるトイレ環境を整えてあげましょう

トイレの場所や数、トイレ砂などに、こだわりを持っていることがあります。トイレ砂は紙なのか、石なのか、お気に入りが見つかるまで試してみましょう。

家に同居猫がいる場合、それぞれが安心できる場所を提供することでストレス軽減につなげることができます。猫のお気に入りの場所を用意したり、遊び道具で遊んであげるのもいいでしょう。

まとめ

膀胱炎はよく認められる疾患ですが、重症化すると命に関わることになります。飼い主さんは日ごろから猫のおしっこの様子を注意して気を付けて見てください。いつもと違うと感じたら早めに動物病院に行きましょう。また、猫の膀胱炎についてはこちらの記事もぜひご覧ください。

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