フクロモモンガのトリコモナス感染症

※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

フクロモモンガ(4歳5ヶ月齢)が健康診断希望で来院されました。糞便検査において、トリコモナスを認めました。この患者さんにおいては、下痢などの消化器症状は発現していなく、病気の早期発見になりました。治療は一般的な駆虫薬の内服の投与により行いましたが、期間が短かったのか、2週間後頃の再検査では、トリコモナスが依然として観察されました。そのため、内服期間を延長したところ、およそ2週間後の再検査ではトリコモナスは認められなくなりました。

トリコモナス感染症について

トリコモナスは原虫と呼ばれる消化管内寄生虫の一種です。フクロモモンガだけではなく様々な動物に感染することが知られており、犬や猫、そのほかの動物でも認められる寄生虫です。動物種によって症状は異なりますが、フクロモモンガなどの哺乳類では無症状のことが多く、まれに下痢や嘔吐などの消化器症状を示すことがあります。糞便検査による虫体の検出により診断し、治療は駆虫薬の投与となります。

▲外見に変化はなく、毛並みもよいです。

▲外観上、異状は感じられません。

▲フヨフヨ動いているのが、トリコモナスです。

臨床診断は「トリコモナス感染症」

通常通り内服薬による治療を5日間続け、2週間後頃再診にしましたが、トリコモナスは無くなってはいませんでした。そのため、もう2週間飲み続けていただき、2週間後(最初の知慮開始から1か月後)の再検査ではトリコモナスは検出されなくなりました。この間、本人の体調に異常は認められませんでした。かなり遠くから来院されている方だったので、再検査は特別時期を設けず、爪切りの時に行うこととしました。

フクロモモンガのトリコモナス感染症について

トリコモナスは原虫と呼ばれる消化管寄生虫で、「ジアルジア」と呼ばれる原虫と似ていて、見分けがつかないこともあります(幸い、駆虫方法に大差はありません。)。環境中にいる寄生虫ではないため、ファームや親からの感染が第一に考えられます。また、一度の糞便検査では見つからないこともあるため頻回の検査が推奨されます。

症状

あまり病原性は無く、基本的に無症状です。まれに下痢などを引き起こすことがあります。

診断

糞便検査による虫体の確認

治療

駆虫薬の投与

予防

水平感染を予防するために、糞便検査を定期的に行う。特に、新しい子を迎え入れたときは、頻回の検査を行うほうが良いでしょう(一度では見つからないこともあるため)。

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

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