デグーの繊維肉腫

※手術の画像があります。苦手な方は閲覧しないでください。
※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

デグー(5歳11ヶ月齢)が、「1年3ヶ月前から、右前足にできものができていて、出血を繰り返している。3ヶ月前から徐々に大きくなってきた。」とのことで来院されました。右前肢の外側に直径1cmくらいのできものができており、表面は潰瘍になっていました。翌日切除を行い、切除したものを病理検査に提出した結果、「繊維肉腫」という悪性腫瘍でした。術後およそ1か月後の診察では再発が認められなかったため、飼い主と相談して経過観察となりました。

デグーの皮膚のできものについて

デグーでは皮膚にできものができることはよくあり、皮膚炎や外傷によるかさぶたや腫瘍など、さまざまです。デグーでのデータは私の知る限り見つかりませんでしたが、他の動物同様、見た目で診断がつく疾患は少ないと思われます。悪性腫瘍である場合は早期の治療が必要ですが、外観から診断がつきにくいため、治療および検査として切除することがよくあります。今回の飼い主さんは決断が早く、診察後早期の切除手術となりました。

▲右前肢の外側にできものができています。本人も気にするのか時々表面から出血が認められます。

▲右前肢のアップの写真です。赤矢印ができものです。表面が少し潰瘍になっています。

▲麻酔がかかり毛刈りした直後の画像です。黄矢印が頭側です。できもの(赤矢印)はくびれがあり、表面は傷んでいます。

▲切除直前の画像です。ほかの動物同様、腕だけ出して手術します。専用のドレープ(手術用の布)は無いので、ガーゼを切り抜いて作成します。

▲切除後の画像です。腫瘍の残存を防ぐため大きく切除することは腫瘍(と思われるもの)の切除では常識なのですが、場所が腕の際で大きく取りすぎると皮膚が寄らなくなる恐れがあり、また深く取りすぎると筋などを痛める恐れがあったため可能な限りの切除となりました。皮膚は糸で縫合してあります。

▲切除したできものです。このできものは病理検査に提出し、腫瘍なのかそうでないのか、取り切れているのかなど調べます。

病理診断は「繊維肉腫」

術後8日目では手術した部位に異常は認められず良好でした。
術後およそ1ヶ月時点での診察では、術部にカサブタがついていましたが、おおむね良好でした。
病理学的検査の結果が繊維肉腫という悪性腫瘍であり、残念ながら切除縁に腫瘍組織の残存が指摘されていたため、拡大切除手術を提案しましたが、飼い主の意向により、経過をみることになりました。

▲およそ1か月後の写真です。カサブタが残っていますが、傷は良好です。本人の元気や食欲も問題ありません。

デグーの繊維肉腫についてもっとくわしく!

デグーは他のげっ歯類に比べ腫瘍発生率の低い動物種と言われています。しかし、今回の患者で見つかった繊維肉腫は、悪性腫瘍であり、体の表面にできる腫瘍のうち最も多く認められる腫瘍です。一般的には、発生したその場所での広がりが強く、全身転移はまれと言われています。

原因

よくわかっていません。

症状

できものをまったく気にしないことがあります。できものが大きくなってくると気にして引っかいたり、舐めかじったりして出血や潰瘍をおこすことがあります。発生した場所によっては運動を阻害したり、神経の圧迫などにより障害が出ることもあります。転移をおこしていると、転移先での障害が出てきます(肺→呼吸障害、肝臓→肝障害、腎臓→腎障害など)

治療

外科的切除が第一選択肢になりますが、切除困難の場合、放射線療法や抗がん剤が使用されることもあります。

予防

特にありません。

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。引き続きこの子の健康維持に向けて尽力してまいります。
※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。

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