セキセイインコの腸結石

※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

セキセイインコ(1歳1か月齢)が、「数日前から吐いていて食欲もない。」とのことで来院されました。X線検査にて、消化管と思われる部位にX線不透過性の物質が写っており、これによる閉塞や通過障害が疑われました。閉塞しているのかの確認のため、消化管造影検査を行ったところ、この異物が排泄され、その日の夜には症状が改善されました。その後は、経過観察となっています。

鳥の消化管内異物について

飼育鳥においても、犬や猫同様、消化管内に異物が詰まることがあります。誤食も多く、かじって遊んでいたものや布など様々です。今回の患者のように、まれに消化管内に突如結石ができ、通過障害を引き起こすこともあります。腸結石はあまり犬や猫では見られない疾患です。

▲食欲の低下、通過障害により濃緑色便をしていて、元気がありません

▲赤い点線で囲んだ中に写っているのが、X線不透過性の物質(腸結石)です

▲排泄された結石です。かなり固く押しても割れません。摘出した結石は検査に出して、成分を特定します。

臨床診断は「腸結石による通過障害」

この患者さんは幸い、消化管造影中に排泄されたため、手術による摘出に至らなくてすみました。排出されたその日の夜には、ご飯も食べ始めました。翌日にX線検査を再度行い、前日のX線不透過性物質(腸結石)の消失を確認、退院としました。検査に出した結石分析では、残念ながら成分の特定には至りませんでした。

鳥の腸結石について

腸結石は、消化管内に突如結石ができて、通過障害を起こすとされています。犬や猫などの哺乳類ではあまり認められないのは、おそらく食餌や代謝など鳥類と哺乳類では大きく異なるからだと思われます。今回の結石分析では成分が特定されませんでしたが、ある文献ではリン酸カルシウム結石であったことが言われています。これは、ボレー粉と同成分です。

原因

あきらかな原因はわかっていません。体質、食餌、飲水不足(冬季などで寒くなることなど)などの可能性が考えられます

症状

食欲不振、元気消沈、嘔吐、絶食便など

予防

適切な食餌、十分な飲水

治療

内科的治療によりうまく排泄されることがあります。完全に閉塞してしまっている場合は、手術による摘出が必要です

※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。引き続きこの子の健康維持に向けて尽力してまいります。

インコ,鳥類の診療

9:30〜12:30
16:30〜19:00

050-3196-4900

予約する

受付終了は診療終了時刻の30分前になります