鳥のマクロラブダス感染症(メガバクテリア症)

※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

セキセイインコ(2ヶ月齢)が別件で来院したのですが、健康診断として糞便検査を行ったところ、マクロラブダス(以前はメガバクテリアと言われていた)が認められました。この患者さんにおいては、食欲の低下や嘔吐などはまだ発現していなく、病気の早期発見になりました。治療は内服薬の投与により行い、およそ1か月半後の再検査ではマクロラブダスは認められなくなりました。

マクロラブダス感染症(メガバクテリア症)について

見た目が大きな細菌であったため、以前は「メガ(大きな)バクテリア(細菌)症」と言われていました。10年近く前になりますが、この菌体は真菌(カビ)の仲間であることがわかり名前が「マクロラブダス」と変更になりました。無症状のこともありますが、発症すると食欲不振、嘔吐、軟便、下痢、などを起こし、体重が減ることもあります。

▲外観からこの疾患を疑うことは困難です。見た目に異常はありません。

▲糞便の外観です。こちらも特に気になる所見はありません。

▲中央にこん棒状の菌体が確認されます。

臨床診断は「マクロラブダス感染症」

内服薬による治療を1か月半続けました。再検査において、菌体が認められなくなったので、治療終了としました。残念ながら、「顕微鏡で確認されない」 ≠ 「菌はいない」 となりますので、再発の可能性は否定できません。今後も定期的な検査をするべきです。ですが、この患者さんにおいては内服薬がしっかり効いたので、一旦治療終了となりました。

マクロラブダス感染症について

真菌(カビ)の仲間である「マクロラブダス」の感染症です。マクロラブダスを含む餌を吐き戻して与えることによって広がっていくと考えられています。そのため、親から子への感染や求愛行動によりほかの鳥に移っていきます。主に胃に感染する酵母菌で、消化器症状が主に出ますが、無症状のこともあり注意が必要です。特にセキセイインコで認められることが多い疾患です。

症状

無症状のこともあります。病態が進行すると、食欲不振、嘔吐、軟便、下痢、削痩など消化器症状を引き起こします。また、慢性感染に至ると胃がんの原因になるとも言われています。

診断

視診や身体検査、糞便検査。

予防

水平感染を予防するために、糞便検査を定期的に行う。特に、新しい子を迎え入れたときは、頻回の検査を行うほうが良いでしょう(一度では見つからないこともあるため)。

治療

抗真菌薬による治療(内服、注射など)。

※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

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