犬の歯石除去

※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

概要

5歳齢のチワワが歯石除去(スケーリング)のため来院されました。来院時、歯に歯石がたくさん付いていましたが、1時間ほど全身麻酔をかけて専用の機械(超音波スケーラー)で歯石をきれいに除去しました。今回は抜歯を行うことはなく、麻酔からさめた後の状態も問題なかったので、日帰りの処置となりました。

スケーリングについて

犬も人と同じように普段のデンタルケアを怠っていると歯垢や歯石が付きやすくなります。そのまま放置すると歯周病になりやすく、歯肉が瘦せてきて歯が抜けてしまったり歯肉に穴が開いてしまうこともあります。歯周病の原因菌は口臭や鼻炎の原因になるだけでなく、血流に乗って全身に回ると、心臓や腎臓などに悪影響を及ぼすとも言われています。そのため歯周病の予防や治療だけでなく重大な病気を防ぐためにも、歯ブラシやデンタルジェルで日々のデンタルケアは欠かせません。理想的には毎日、最低でも週2,3回のデンタルケアをしましょう。

しかし、すでに歯石になっている状況では、日々のお手入れで問題を解決することは困難です。まずはスケーリングで一度きれいに歯垢や歯石を取ることをおすすめします。スケーリングとは口腔内のトラブルの原因となる歯垢や歯石を除去する処置のことです。もちろん、スケーリングをしてきれいになった後も汚れが付かないようにデンタルケアをしていくことが大切です。

歯科の専門家において無麻酔での歯科処置には様々な問題が指摘されており、当院では麻酔下でスケーリングを行っております。無麻酔ではできない歯周ポケットなど細かいところまで歯石を除去することで歯周病を防ぎます。もちろん、全身麻酔の危険性が全く無いわけではありませんが、麻酔前の検査をしっかり行うことで可能な限り安全に配慮して行います。

▲麻酔をかけた直後の歯の様子です。歯石がたくさん付いているのが分かります。人間の歯医者でも用いる超音波スケーラーで歯石を除去していくのですが、歯石をとるだけではなく、歯と歯肉の間の歯周ポケットの汚れも丁寧に掻き出していきます

▲スケーリング後の歯の様子です。スケーラーで汚れを取っただけでは歯の表面に汚れが付きやすくなるので、歯の表面を歯ブラシで磨き、凹凸の少ない状態に仕上げます

犬の歯周病について

歯周病は犬によく起こる炎症性疾患で、歯周病とは歯肉炎と歯周炎のことを指します。歯肉が赤くなって炎症を引き起こす歯肉炎が進行し周りに炎症が波及すると歯周炎となります。そのまま治療しない場合、さらに骨や歯根膜に炎症が及び、やがて歯が抜け落ちるようになります。骨がもろくなって顎が骨折しやすくなったり、膿がたまって顔が腫れたり、皮膚に穴が開くこともあります。歯の見えている部分がきれいでも、歯周ポケットと呼ばれる歯根の汚れが歯周病を起こしている原因であるので、歯周ポケットをきれいにする必要があります。

原因

歯の手入れ不足による歯垢や歯石の付着

症状

固いものを食べなくなる、食欲が落ちる、よだれが出る、歯肉からの出血、歯のぐらつき、口臭が強くなるなど

治療

全身麻酔をかけてのスケーリング。ぐらつきの強い歯は抜歯をすることもあります

予防

毎日のデンタルケア

※伴侶動物の症状、状態には個体差があります。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。
※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。引き続きこの子の健康維持に向けて尽力してまいります。

犬の診療

9:30〜12:30
16:30〜19:00

050-3196-4900

予約する

受付終了は診療終了時刻の30分前になります