犬の子宮蓄膿症

※手術画像があります。血液などが写ることがありますから苦手な方は閲覧しないでください。
※このコラムの内容は、この患者さんでのケースであり、一般的ではないことも記載されています。個体により状況は異なりますので飼われている伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。
※この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。

飼い主様からのご相談と、治療完了までの概要

シーズー(11歳8か月齢、未避妊雌)が「一週間前から食欲不振があり、来院前日に陰部からおりものが出ていることに気づいた。」とのことで来院されました。陰部から血混じりの膿が出ており、血液検査、レントゲン検査、超音波検査により、子宮蓄膿症が疑われたため、手術にて子宮と卵巣を摘出しました。術後は体調が回復し、治療終了となりました。

犬の子宮蓄膿症とは

子宮蓄膿症は、一般的に「パイオメトラ」などとも呼ばれ、その名の通り子宮に膿がたまってしまう疾患です。主に6歳齢以上の未避妊の雌に見られます。原因は発情などの免疫力低下に伴い子宮への細菌感染によるものがほとんどです。症状はのどが渇いてお水をたくさん飲むようになることがあります。また、嘔吐、食欲不振、脱水などが認められることもあります。また、陰部からの膿の流出が認められることがあります。治療が遅れると、菌が全身に回ってしまう菌血症になったり、多臓器不全になり死に至ることもあります。主な治療は膿の袋となっている子宮の摘出と性ホルモンを分泌している卵巣の摘出術になります。

子宮蓄膿症の検査から診断まで

▲外陰部から血混じりの膿が出ています、床やソファに付いて飼い主さんが気付くことがあるかもしれません。膿ですから、どろどろしていることが多いです。

▲子宮と思われる陰影が見られます。

▲水分の多い構造物を認めます。大きくなった子宮である可能性が高く、画像上濁って見えます。

▲こちらは膀胱です。先ほどの構造物が膀胱ではないことを確認します。膀胱には明らかな異常は認められません。

血液検査の結果、白血球数とCRP(急性期炎症蛋白)が高く、感染と炎症が起こっている可能性が高いと思われました。

以上の結果より子宮蓄膿症の可能性が高いため、治療の第一選択肢である手術による子宮卵巣摘出術を行うことになりました。子宮蓄膿症は状況によっては手術が難しく内科的治療を行うこともありますが、この子には、手術による子宮と卵巣の摘出がベストと判断しました。

▲こちらは手術中の画像です。子宮がかなり大きく腫大して太いところで3㎝くらいになっていました。

▲切除して取り出した子宮の一部を切ると血混じりの膿が出てきます。こちらから採取した膿で細菌培養を行い菌の同定と効果のある抗生剤を決定します。

臨床診断は「子宮蓄膿症」

術後は経過も良好で、もちろん陰部からの排膿はありません。2週間後に抜糸して治療終了となりました。

犬の子宮蓄膿症について

子宮蓄膿症は、その名の通り子宮に膿がたまってしまう疾患で主に6歳齢以上の未避妊の雌に見られます。子宮の頸管が開いていて、そこから膿が体外に出ている開放型と、頸管が閉じていて膿が体外に排出されない閉鎖型があり、開放型は外観や膿の臭いから気づくことがありますが、閉鎖型はわかりにくいこともあります。

原因

主に発情などの免疫力低下に伴い細菌が子宮に感染することにより発症します

症状

のどが渇いてお水をたくさん飲むようになることがあります。また、嘔吐、食欲不振、脱水などが認められることもあります。また、開放型では陰部からの膿の流出が認められます。治療が遅れると、菌が全身に回ってしまう菌血症になったり、多臓器不全になり死に至ることもあります。

予防

早期の避妊手術。

治療

治療の第一選択肢は、膿の袋となっている子宮の摘出と性ホルモンを分泌している卵巣の摘出術になります。第2選択肢として、注射による排膿もありますが、他のトラブルに発展してしまうことがあり、また、発情を迎えるたびに再度子宮に膿が溜まる可能性が高いため、あまりお勧めしません。

※当院では、飼い主様と伴侶動物の協力のもと、多くの伴侶動物ができる限り疾患に罹患しないよう情報を共有するため、個人情報に配慮したうえで伴侶動物の疾患の報告を行っています。改めて、この度、HPへの掲載にご協力いただいた飼い主様と伴侶動物に感謝申し上げます。
※伴侶動物の症状、状態には個体差がございます。伴侶動物で気になることがあれば、かかりつけにご相談されることをお勧めします。このコラムの内容閲覧により生じた一切のトラブルについて当院では責任を負いかねます。

犬の診療

子宮蓄膿症の治療費やサイン

子宮蓄膿症は、もちろん進み具合や治療方法によって治療費が異なります。また、ちゅら動物病院ではもちろん保険が使えますので、いくらになるかは概算を術前にご説明させていただきます。子宮蓄膿症のサインは、今回のように膿が出てくることもありますし、軽度の場合や症状によっては単に疲れたような、体調不良を示すこともあります。数日間疲れている、ぐったりしている場合は様々な症状が考えられますので、一度受診してください。

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