猫の膀胱炎

膀胱炎の概要

膀胱は腎臓から尿管を経て送られてくる尿を一時溜めておくための袋状の器官であり、膀胱の粘膜が何らかの原因で炎症を起こしたのが膀胱炎です。膀胱炎は細菌性膀胱炎と特発性膀胱炎(原因がわからない膀胱炎)に分けられます。膀胱炎が進行すると、膀胱で増殖した細菌が尿管、腎盂の方へも感染を起こし、腎盂腎炎から急性腎障害になることがあるので注意が必要です。

膀胱炎の原因

猫の場合、特発性膀胱炎は下部尿路疾患の原因の半分を占めます。肥満や性格的に神経質であること、活発に動かなくなることなども原因です。

膀胱炎の特徴

似たような症状に尿石症がありますが、膀胱炎と見分けるのが難しく、問診や検査によって見分けます。早期発見が出来れば、治癒しやすいことが多いです 。メスはオスよりも尿道が短く、細菌感染しやすいです。

膀胱炎の症状

少しずつ何度も排尿をしたり、痛みが出て排尿時に背中を曲げることもあります。尿の色がいつもより白っぽく濁ったり、血尿が出ることもあります。

検査・診断

膀胱炎の治療

細菌性膀胱炎の場合、抗菌薬の投薬によって膀胱内の細菌を減らします。適切な抗菌薬なら予後は良好ですが、細菌の増殖を抑えるため、投薬は続けることが大事です。投薬を嫌がるようなら、注射による抗菌薬投与も可能です。基礎疾患がある場合は、それ自体が膀胱炎の原因になっている可能性があるため、同時にその治療をも行います。

特発性膀胱炎では抗菌薬の投与で治るわけではないので、環境の改善が必要です。膀胱炎に対する専用のフードに変更したり、いつも新鮮な水を与えます。飲水量を多くするために飲み水を複数個設置する、トイレを清潔にする、ストレス要因を減らすことも大切です。

膀胱炎の予防

細菌性膀胱炎、特発性膀胱炎どちらの予防においても、肥満にならないよう、日頃の体重管理は大切です。また、水飲み場の数を増やしたり、フードをふやかすことで飲水量を増やすのも重要です。トイレの数を猫の数+1個以上にすることで、排尿頻度を増やす工夫もしてあげましょう。

白田先生

獣医師ライター

獣医師。14年間一般の動物病院に勤務しました。そのあと自分の病院を開業して今年でちょうど10年になります。私もこれからもっと成長していきたいです。得意な分野は消化器、内分泌、眼科です。

※本ライターによる執筆は本ライターに帰属するものであり、その正確性や内容に関してちゅら動物病院がなんら保証するものではありません。

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最近では都市部を中心に猫専門病院が増えてきました。ちゅら動物病院は猫専門動物病院ではありませんが、広々とした待合室で他の動物と距離が取れる、予約優先制なのでお車でお待ちになれるなど、猫ちゃんにストレスをかけない工夫をしております。膀胱炎のほか、結膜炎や各種健康診断、ワクチン、避妊手術、去勢手術などもお気軽にご相談ください。

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